上司が遅刻をすると、
組織の規律は少しずつ崩れていきます。
「上司も守っていないんだから、このくらいはいいだろう」
そうやって、ルールの基準が少しずつ下がっていく。
最初は小さな変化なので、ほとんど違和感がありません。
でも、それが積み重なると、
気づいたときには組織全体の規律が乱れている。
あとから気づく歯周病みたいなものです。
私は、
「ルールは上にいる人ほど守るもの」
だと思っています。
ただ、一つ、勘違いしてはいけないことがあります。
社長が朝何時に会社へ来るのかは、また別の話です。
社長や取締役は経営陣です。
従業員と同じ時間に出社して、
同じ時間働くことが役割ではありません。
経営者と従業員では、そもそも役割も責任も違います。
ところが、
「社長は自分たちより遅く来ている」
「自分たちは朝から働いているのに」
と、
経営層の出社時間を従業員と同じ基準で見てしまう人は少なくありません。
特にクリニックでは、
こうした認識のズレが起きやすいと感じます。
専門学校を卒業して、
そのまま個人医院や医療法人に就職する。
もちろん専門職としての教育は受けています。
でも、
会社とは何なのか。
組織とは何なのか。
経営者と従業員は何が違うのか。
何のために事業をしているのか。
経営者は何に責任を負っているのか。
こうした「社会人としての組織教育」を体系的に受ける機会は、意外と少ない。
だからこそ、
私は最初に教育した方がいいと思っています。
経営者と従業員は、立場が違います。
権限が違う代わりに、背負っている責任も違う。
だから、
「社長だけ遅く来てズルい」という話ではないのです。
ただし
経営者だから、何をしていてもいいわけでもありません。
特にまだ組織が小さいうちは、
経営者は、誰が見ても分かる形で会社に貢献している存在であるべきです。
これは単純な「売上をつくっている」という話ではありません。
ビジョンを描く
方針、戦略を決める
正しい意思決定をする
責任を取る
組織を強くする
仕組みをつくる。
従業員から見えにくい仕事だからこそ、
小さな組織では、その姿勢や貢献が伝わるようにすることも必要です。
ルールは、上にいる人ほど守る。
でも、
全員が同じ働き方をする必要はない。
この2つを理解できる組織にすることも、
経営者の仕事だと思っています。